2023/07/19
福岡で散骨をするなら、役所への届け出は必要?散骨の手続きに必要な書類などを解説。
福岡で散骨をする前に。知っておきたい散骨のこと。
福岡の散骨に関する情報はこちらから→福岡ふるさと散骨
■散骨とはどのような葬送方法でしょうか。
「散骨」―という言葉は聞いたことがあるものの、「海や山に遺骨を撒く葬送方法」という漠然としたイメージしか持っていない方が多いのではないでしょうか。
大まかには間違いではありませんが、実は刑法190条には「死体、遺骨、遺髪又は棺に納めてある物を損壊し、遺棄し、又は領得した者は、3年以下の懲役に処する。」とあり、ご遺骨を海や山などにそのまま撒いてしまうと、「遺骨」を「遺棄」したとして犯罪となってしまうこともあります。
法的にも問題なく散骨を行うためには、ご遺骨を火葬した後さらに粉骨してパウダー状にし、周辺環境などに配慮した海域でマナーを守って散骨を行うことが大切です。
散骨場所は「海」が一般的ですが、山でも可能です。山への散骨の場合、山の地表にパウダー状にした遺骨を撒きます。
しかし、どの山ででもできるわけではなく、自治体の条例によって散骨が制限・禁止されているところもあります。また散骨は「撒く」ことが基本です。
土の中に埋めると「埋葬」となり、「墓地埋葬法」に抵触する恐れがありますのでご注意ください。
墓地、埋葬等に関する法律(昭和23年5月31日法律第48号)https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/seikatsu-eisei15/
■散骨と樹木葬や永代供養墓の違いは。
従来、人が亡くなったあとの弔い方法として多くの方が「お墓」または「納骨堂」を選んでいました。
しかし、近年は供養の多様化によって、散骨や樹木葬、永代供養墓を選択する人も増えています。
では一般墓と樹木葬、永代供養墓、そして散骨との違いはどこにあるのでしょうか。簡単に解説します。
「樹木葬」とは樹木を墓標にしたり、花や樹木に包まれた墓所にご遺骨を埋葬する方法です。
「永代供養墓」とは一般的なお墓のようにお墓の管理・供養を子孫に継承するのではなく、お寺や霊園などの墓所管理者がお墓の管理・供養を行うもので、その多くは一定期間経過後ご遺骨が合葬墓所に移される一代限りのお墓です。
樹木葬も永代供養墓も「お墓」であることに変わりはありませんが、「散骨」はこれらとは全く異なる葬送方法です。その大きな違いは、「ご遺骨を埋葬しない」「ご遺骨が残らない」こと。
ご遺骨が残らないためその後の管理をすることがなく、自然そのものが墓所となります。
ご遺骨が後に残らないのでお墓じまいなども必要なく、お寺づきあいも発生しないので残された方々にご遺骨のことで負担をかけることがありません。
しかし逆に「手を合わせる場所が無く寂しい」と感じる遺族もいますので、散骨を行う際には「遺骨が無くなること」を周囲にきちんと理解してもらったうえで行いましょう。
■福岡の海洋散骨では、事前に役所に届け出をする必要はない。
ご遺骨を埋葬する際、どのような手続きが必要なのでしょうか。
「お墓」「納骨堂」「手元供養」「散骨」それぞれについて解説します。
【お墓の場合】
お墓や火葬場などでの遺骨や遺体の処理に関する法律には、昭和23年に制定された「墓地、埋葬等に関する法律」(通称「墓埋法」)があります。
この墓埋法では墓地の管理者や納骨堂の管理者に対し「埋葬許可証、改葬許可証又は火葬許可証を受理しなければ遺骨を埋葬、収蔵してはならない」と定められています。
つまり、お墓にご遺骨を埋葬する場合は、埋葬許可証、改葬許可証を、墓地の管理者へ渡さなければなりません。
火葬が終わったあと、火葬許可証に「火葬済」の印を押してご遺族の手元に戻されたものが埋葬許可証となりますので、大切に保管しておきましょう。
【納骨堂の場合】
納骨堂の購入手続きが完了すると納骨堂の管理者から使用許可証が渡されます。
それに加え納骨の際は、お墓と同様に納骨堂の管理者に埋葬許可証、改葬許可証を提出する必要があります。
【手元供養の場合】
自宅でご供養する「手元供養」では、自治体などの手続きは必要はありません。
骨壺のご遺骨を粉骨したり、そのまま手元供養品に納める場合も行政の許可を得なくても問題ありません。
しかし、将来手元供養の中のご遺骨をお墓などに納める場合は「分骨証明書」が必要となります。
そのままご遺骨を散骨する場合は問題ありませんが、もしお墓や樹木葬、納骨堂などに納める可能性がある場合はあらかじめ分骨証明書を発行しておくと安心です。
【散骨の場合】
散骨は「墓地、埋葬等に関する法律」に規定されていない行為ですので、自治体などでの手続きは必要ありません。
しかし、散骨業者によっては埋火葬証明書や同意書、依頼者とご遺骨との関係が分かる書類の提出が求められることがあります。
■福岡の海洋散骨に届け出は必要ないが、一定のルールがあります。
【散骨には必ず「粉骨」が必要】
刑法第190条で「死体、遺骨、遺髪又は棺に納めてあるものを破壊し、遺棄し、又は領得した者は、三年以下の懲役に処する」とあり、ご遺骨を捨てることは死体遺棄罪として罰せられます。たとえ「散骨」という葬送が目的であっても、ご遺骨を粉骨せずに散骨したらこの死体遺棄罪に当たり罰せられる可能性があります。
散骨を行う際には、必ずご遺骨を粉末状に砕く=散骨の工程が必要です。粉骨は1~2mm以下、パウダー状になるまで細かく砕き、遺骨であることが分からないようにします。
【条例によって散骨を禁止している場所もある】
福岡県内には散骨について条例を設けている市町村はありませんが、自然環境や周囲の状況に配慮して行うことが大切です。
漁場や海水浴場の近くなどはもちろんNGで、岸から数km離れた人目のつきにくい場所で行います。
散骨は個人で行うこともできますが、こうした散骨のルールを熟知した業者に依頼する方が安心でしょう。
【親族にもあらかじめ相談する】
一度散骨をするとそのご遺骨は二度と戻ってくることはありません。
散骨を快く思わないご遺族、親族がいる場合もありますので、散骨を依頼する前にきちんと理解を得ておきましょう。
「亡くなった母が生前散骨を希望していたから」と勝手に散骨をしてしまって、後々親族間でトラブルになってしまった…というケースもあります。
また、「手を合わせる場所がほしい」という場合は、ご遺骨の一部を分骨して手元供養にするのも良いでしょう。
■福岡の海洋散骨にかかる費用はいくらくらい?海洋散骨の相場と他の供養との比較。
散骨にはクルーザーを貸し切って家族や近親者のみで行う「チャーター散骨」と、他のご家族や委託散骨と一緒にクルーザーを貸切る「合同散骨」、そして業者に散骨を代行してもらう「委託散骨」があります。
それぞれの費用の相場と他の供養の相場を比較してご紹介しましょう。
●散骨
【チャーター散骨】
20〜50万円程度。
クルーザーのチャーター代を1家族で支払う必要があるため少々高めになりますが、希望の日時に行うことができ、周囲を気遣うことなく心に残る散骨セレモニーを行うことができます。
【合同散骨】
10~20万円程度。
ご家族が参加することが出来る散骨プランですが、複数のご家族、または委託散骨と一緒に行うため価格は割安になります。
乗船可能人数はチャーター散骨よりやや少なめに設定されており、日程についても一緒に行うご家族と調整する必要があります。
【委託散骨】
5~10万円程度。
海洋散骨業者のスタッフが散骨を代行します。ご遺族が乗船されず、また1回の運行で複数の委託散骨行うため費用は割安になります。
●一般墓
一口で「お墓」といっても霊園、寺院墓地、地域の墓地など様々で、広さ、デザイン、墓石の種類、墓石の大きさなどによっても価格が異なります。
費用もまさにピンキリで、相場も100~300万円程度とかなり幅があります。
●納骨堂
納骨堂にはお寺が運営する「寺院納骨堂」、自治体が運営する「公営納骨堂」、霊園など公益法人が運営する「民営納骨堂」があります。
費用は1人用で30万円程度から高級タイプでは300万円以上のものまで幅広いのですが、80~150万円程度が相場です。
●樹木葬
一口で樹木葬といっても、そのままの自然を活かし、樹木を墓標代わりにする「里山型」、シンボルツリーの周りに小さめの墓石を配して埋葬する「公園型」、草花などを配したガーデン風のお洒落な墓所に作られた「ガーデニング型」など様々です。
相場は他の方のご遺骨と一緒に埋葬する「合葬タイプ」の場合は一人10~20万円程度、ご家族で眠ることができる墓石付きの樹木葬は80~150万円程度が相場です。
●永代供養墓
永代供養とは、親から子へと受け継いでいく継承型のお墓や納骨堂ではなく、管理・供養を霊園やお寺など墓所の管理者が行う、近年需要が高まっている供養のスタイルです。
永代供養は埋葬の方法ではなく供養の種類であるため、「永代供養付き納骨堂」「永代供養付き墓所」「永代供養付き樹木葬」など様々な種類がありますが、その多くが一定期間経過後にご遺骨を合葬墓に移します。
永代供養付きのお墓の費用は様々ですが、合葬タイプであれば10万円程度、墓石を設置するタイプであれば60~150万円程度が相場です。
●手元供養
手元供養とは、ご遺骨をお墓や納骨堂などに埋葬せず、ご自宅に置いたり、アクセサリーにして身につけてご供養する方法です。
手元供養の種類はコンパクトな骨壺にご遺骨を分骨するタイプ、アクセサリーに入れて身につけるタイプ、ミニ墓石を室内に設置しその中に分骨したご遺骨を納める「自宅墓タイプ」など様々ですが、お墓参りに行くことが困難な方や、「ご遺骨と離れがたい方」などの人気を集めています。
価格は1万円~15万円程度が相場で、他のご供養と組み合わせて利用する方も多いようです。