手元供養での骨壷の選び方と適正なメンテナンス方法
近年、さまざまなデザインの骨壷が登場しています。
とくに手元供養で使用する骨壷は、大きさやデザインのバリエーションがとても豊富です。
しかし、選び方次第ではメンテナンスのしにくさを感じるなど、不満を抱いてしまうことも…。
後悔しないための手元供養での骨壷の選び方と、適正なメンテナンス方法・対策について解説します。
手元供養での骨壷の選び方
手元供養で用いる骨壷は、従来の骨壷と同じ大きさやデザインのものから、持ち運びができるもの、イメージを覆すオブジェ型のオシャレなデザインのものまでバリエーションが豊富です。
まずは、手元供養を行う際にどのような基準で骨壷を選ぶべきか、骨壷選びのポイントを解説します。
骨壷は供養方法に合わせて大きさを選ぶ
骨壷の大きさはご遺骨を全て手元供養するか、それとも一部のみを分骨にするか、自宅墓にするか、アクセサリーにして身につけるかなど、購入する手元供養品によって異なります。
- ●ご遺骨を全て手元供養で保管する場合:関東では7寸、関西では5寸が一般的
- ●小さなスペースに飾ったり持ち運んだりする場合:2~80ccほどの片手サイズ
- ●自宅墓や仏壇などに安置する場合:50~250ccほどの両手サイズ
- ●アクセサリーに加工する場合:骨壺を使用せず、ペンダントトップほどの小さいスペースに収蔵
手元供養で骨壺を使用する場合は、省スペースで場所を選ばず安置できる片手サイズの小さな骨壷がおすすめです。
また、自宅墓や手元供養のために骨壺を用意する場合、仏具や備品とセット購入してもよいでしょう。
骨壷のデザインは故人の趣味や遺族の好みに合わせて選ぶ
手元供養で用いる骨壷にはさまざまなデザインのものがあります。
従来の一般的な骨壷をそのまま小さくしたデザインから、丸みがあってどんなインテリアにも合うミニ骨壺、ティアドロップやスクエア型など形が特徴的なものまでさまざまです。
また、色のバリエーションも豊富で、シンプルに一色で塗られているものから、柄が入ったもの、ラインストーンや金具などで装飾されたものまで、非常にたくさんのデザイン展開がされています。
そのため、故人や遺族の趣味や好みに合わせて選んだり、インテリアに調和させるなどライフスタイルに合わせて選ぶことが可能です。
手元供養の骨壷はとても自由度が高いので、ぜひ自分たちの好みのデザインの骨壷を選びましょう。
防湿性や密閉性の高さで選ぶ
ご遺骨はほとんどがカルシウムです。カルシウムは湿気を吸収しやすい成分なので、ご遺骨が空気に触れてしまうと、空気中の水分を吸ってカビが生えてしまう可能性があります。
乾燥させたご遺骨を入れる場合あまり神経質になる必要はありませんが、設置する際は出来るだけ湿気の少ない場所を選び、防湿性や密閉性の高い手元供養品を選ぶとよいでしょう。
骨壺の素材で選ぶ
骨壺の素材は陶磁器でできている白色のものが一般的ですが、大理石やガラス製、木製もあります。
インテリアや故人のお好みに合わせたり、素材による決まりごとはなく、デザインで自由に選んで問題ありません。
手元供養で骨壷をメンテナンスする方法を解説
手元供養を始める前に押さえておきたいのが“手元供養品のメンテナンスの方法”。
通常、手元供養品は軽く清掃する程度で十分ですが、日常生活の中で一緒に過ごすため取り扱いには配慮が必要です。
手元供養で骨壷をメンテナンスする方法を、綺麗な状態で保つための対策ととともに解説します。
日頃のメンテナンスは拭き掃除のみでOK
日頃のメンテナンスは、骨壷や木箱の周りのホコリを拭き取るだけでOKです。
特に骨壺は陶器やガラスなど掃除しやすい素材のものも多いので、気づいたときに周りを拭くだけでほぼ問題ありません。
乾燥剤とともに安置している場合は、定期的に新しいものに変えることも忘れないようにしましょう。
骨壷やご遺骨にカビが生えてしまったら洗浄を依頼する
通常の生活の範囲内ではご遺骨にカビが生えることはありませんが、環境によっては極稀に骨壷やご遺骨にカビが生えてしまうこともあります。
もしカビ臭いと感じたりカビが目視できるようであれば、専門の業者に洗浄を依頼しましょう。
なお、ご遺骨には環境基準値を上回る量の発がん性物質が含まれている場合があるため、自身で洗浄する場合は注意が必要です。
カビの場合は洗浄だけでなく再燃焼しないと落ちないケースもあるので、カビが生えたときのメンテナンスは、必ず墓じまいやご遺骨の洗浄を専門とする業者に依頼してください。
骨壷は直射日光の当たらない風通しのいい場所で保管する
メンテナンスなどの手間がかからず、骨壺を清潔に保つためには、なるべく直射日光が当たらない風通しのよい涼しい場所で保管するのがおすすめです。
ご遺骨にとって湿気は大敵です。湿気の多い場所はもちろんNGですが、日当たりのよい場所は寒暖差によって結露が発生するケースがあるので、なるべく温度の寒暖差が少ない涼しい場所で保管するように意識しましょう。
骨壷を開けたりご遺骨を素手で触ったりしない
必要以上に骨壷を開けたり、ご遺骨を素手で触ったりすると、カビが繁殖する原因になる可能性があるので注意してください。
やむを得ず骨壷を開ける場合は、なるべく短時間で閉めて空気に触れる時間を少なくすること、触る場合は素手ではなくゴム手袋などをすることをおすすめします。
ご遺骨をパウダー化して真空パックで保管する
ご遺骨を粉骨してパウダー化することで、真空パックに入れて保管することができるようになります。
真空パックなら湿気を通さないので、ご遺骨がカビたり劣化したりすることはありません。
パウダー化は散骨などを行っている業者や手元供養の専門業者などに依頼することができます。
アクセサリータイプの手元供養品であれば、粉骨もセットで行ってくれる業者も少なくありません。
UV殺菌や発がん性物質の無害化などに対応している業者もあるので、ご希望に合わせて業者を選ぶとよいでしょう。
乾燥剤を使って湿気を吸収させる
自宅でできる簡単な対策・メンテナンスとしておすすめなのが、乾燥剤を使うことです。
簡単に開くタイプなら骨壷の中に乾燥剤を入れるとよいでしょう。密閉されている場合は、骨壷の近くに乾燥剤を置くか蓋に貼るだけでもOKです。
なお、乾燥剤は一定期間で効力がなくなってしまうので、定期的に交換することを忘れないようにしましょう。
長く綺麗な状態で保管するために適正なメンテナンスと対策を
手元供養で使用する骨壷は、供養方法や故人の趣味などに合わせて自由に選んでOKです。
そもそも、手元供養には決まりがあるわけではないので、どのような形式で供養しても構いません。
もちろん、骨壷も好みに合わせて自由に選んで良いのです。
しかし、手元供養は身近な場所にご遺骨を安置することになるので、清掃やメンテナンスは自分たちで行う必要があります。
定期的に適正なメンテナンスと対策を行い、骨壷とご遺骨を長く綺麗な状態で保管し続けましょう。