“お彼岸”にはどうしてお墓まいりをするのでしょうか?
もうすぐ「お彼岸」。
2017年は9月23日の秋分の日を中日に、20日~26日までが秋のお彼岸となります。
お彼岸には、お墓まいりに出掛けますが、ではなぜお彼岸にお墓まいりに行くのか、
そもそも「お彼岸」とは何なのか?あなたは知っていますか?
実は「詳しくは知らない」
「分からないけど、古くからの慣習だから当たり前に思っていた」という方も
少なくないようです。
しかし、せっかくだから、ちゃんと意味を知ってから
充実したお彼岸を過ごしたいものですね。
そこで、今回は秋のお彼岸前に、お彼岸の意味とお彼岸の過ごし方についてご説明しましょう。
●そもそもお彼岸の意味は?
お彼岸とはサンスクリット語の“パーラミター(波羅蜜多)”が語源とされており、
パーラミターとは到彼岸、つまり煩悩や悩みなど迷いにあふれる私たちの世界「此岸」から、
悟りの岸「彼岸」=仏の世界へ到達することを言います。
つまり彼岸とは「極楽浄土」という意味なのです。
彼岸に行くためには当然修行が必要です。
そこで、お彼岸は悟りを拓き、
極楽浄土へ行くための仏教修行の期間と考えられていました。
そのため寺院では彼岸会や法要を行い、先祖を供養し、お墓参りを行ってきたのです。
●お彼岸の時期は?
春のお彼岸は春分の日を中日として、前後3日間を合わせた7日間、
秋のお彼岸は秋分の日を中日として、前後3日間を合わせた7日間となります。
「春分の日」と「秋分の日」は昼と夜の長さが同じになり、
太陽が真東から出て真西に沈む日と言われます。
仏教では極楽浄土は西にあると言われており、
お彼岸の夕日は極楽浄土への道しるべと考えられ、
その日に夕日を拝むと功徳があると言われています。
お彼岸の初日を「彼岸の入り」、最終日を「彼岸明け」と呼び、
2017年の秋のお彼岸は「彼岸の入り」が9月20日、中日が9月23日、彼岸明けが9月26日。
ちなみに国民の祝日である「秋分の日」は「先祖を敬い亡くなった人を偲ぶ日」、
春分の日は「自然を讃え、生物を慈しむ日」となっています。
●お彼岸の迎え方は?どんな準備をするの?
彼岸入りの日の前日までにお仏壇をきれいに清掃し、
お花やぼた餅などをお供えします。
お彼岸の期間中は、朝晩お仏壇に蝋燭を灯し、お線香をあげます。
またこの期間に、ご家族でお墓まいりに出掛け、お墓を掃除しお線香や花などを供えます。
ご家族そろってご先祖様のお墓に手を合わせる姿は
未来を繋ぐ子どもたちにとっても、とても良いお手本となります。
出来ればご家族そろってお墓参りに出かけたいものですね!。
●お寺で行われる彼岸会の意味は?
お彼岸の期間は、お寺では彼岸会(ひがんえ)、
お彼岸法要(ひがんほうよう)などが行われます。
彼岸会は亡くなった方のご供養を行うだけでなく、
僧侶にとっては「六波羅密」の教えを会得する大切な行事ですが、
実はこれは他の仏教国にはあまり見られない慣習で、
日本の民俗信仰とも深く結びついたものと考えられています。
●お彼岸のお墓参りに注意点、決まりごとなどはある?
特別な決まり事はありませんが、お寺や霊園にお墓参りに行かれる場合、
いつもよりかなり混雑していると考えてよいでしょう。
駐車場が満車のところもあるかもしれないので、
あらかじめ近隣のパーキングを調べておくと良いでしょう。
霊園などではお彼岸の期間中臨時バスを運行しているところもあります。
詳しくは管理事務所などにご確認ください。
おまいりの仕方は、お彼岸だからといって特段変わることはありません。
お墓まいりに行く際は、お花、お線香、ろうそく、
お掃除の道具(スポンジ、タオル、歯ブラシ、ゴミ袋など)を準備しましょう。
お彼岸は「祖先を敬い、故人を偲ぶ」日である同時に、
心の修行の日、自らの内面を見つめる日であるとも言われています。
ご先祖様や亡くなった人について家族で語らないながら、
祖先やご家族、そして自分たちを生かしてくれる全てのものに
改めて感謝の思いを実感できる日にしたいですね。
【コラム】
お彼岸に食べるのは「おはぎ」?「ぼたもち」?
結論から言うとどちらも同じものです。
(※こし餡を使ったものを「ぼたもち」、
粒餡のあんこやきな粉をまぶしたものを「おはぎ」と呼ぶ地域もあります。)。
ぼたもちはあずきの粒を春に咲く牡丹に見立てて「ぼたん餅」と呼び、
それが転じて「ぼたもち」になったと言われています。
おはぎは秋の七草の一つ「萩」の花が小豆の粒と似ていることから
「萩餅」→「おはぎ」と呼ばれるようになったと言われています。
いかがでしたか?
お彼岸の意味を知ると、お墓まいりもいつもより充実したものに
なりそうですね。
今年のお彼岸はぜひ、ご家族とお墓まいりをしながら
お彼岸について語り合ってみてはいかがでしょうか?